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【組織変革#3】情報開示から経営会議廃止へ、透明性を追求した組織変革

前回の「【組織変革#2】「我慢」から始まる組織変革、その背景と方法」で経営会議に変化があり、現場へも意思決定を課題解決型から課題確認型へーアドバイス・プロセスの素地が浸透しはじめました。

今回は、「当事者意識」を引き出すための情報開示と、それが経営会議の廃止に至るまでの経緯についてご紹介します。経営会議の運営を担当していた関口氏から当時の経緯や反省点を語っていただきました。企業運営における透明性や情報開示の重要性、そしてその結果としての組織変革の有効性について、ぜひご一読いただきたいと思います。

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目次[非表示]

  1. 1.当事者意識を育てるため、情報開示をとことんやったー経営会議が廃止になるまで
  2. 2.当時役員が感じていたことーメンバーへの信頼が高まっていたからこそできた覚悟
  3. 3.『ティール組織』解説者の嘉村さんが当時を振り返って感じること

当事者意識を育てるため、情報開示をとことんやったー経営会議が廃止になるまで

〈関口 香菜子〉GCストーリー株式会社

2012年新卒入社。管理部の経営管理に配属され、アメーバ経営の浸透に従事。経営会議の運営等も担当し、2018年9月より産休・育児休業に入る。組織デザイン事業部では、自律経営システム導入のコンサルタントとして、他社への経営管理や社員の自律育成に尽力。現在では、第3子を出産し育児休業中。


ーどのようなきっかけで、経営会議がオープン化されていったのですか?

もともとは、社外取締役の茂木の「当事者意識を引き出すために一番大切なことは、情報の開示だ」という言葉がきっかけでした。この言葉を聞いた時に「確かにそうだよな」と思ったんです。

階層を超えて情報を開示できるよう、まずは私にできることから少しずつやっていこうと思い、経営会議のオープン化に取り組み始めました。


ー経営会議をオープン化するために、具体的にどんなことをしたのですか?

具体的には2017年の夏頃から、まずは小さなことから取り掛かろうと思って、経営会議で話し合われた内容の要約を模造紙にまとめ、全社員が参加する全体会議で発表し、模造紙をその後1ヶ月間社内で掲示してみました。それがすんなり受け入れられたので、10月くらいに「議事録を公開したい」ということを経営会議で参加メンバーに相談しました。


ー周囲から反対などはありましたか?

何人かから「やめた方がいいんじゃ...」という懸念の声が上がりました。ただ、私もなぜか「ここは引いちゃいけないポイントだ!」という気持ちが強くなり、「そしたらいつまでも変わらないので...」と説得しました。なんとか「議事録の公開」の承認を得ることができ、議事録がメンバー全員にメールで一斉送信されるようになりました。


ー議事録公開後、経営会議はどのように変化しましたか?

議事録を公開した後、社員がオブザーバー参加する経営会議を数回開催しました。そして、より参加のハードルを下げようとのことで経営会議のライブ配信にも1度挑戦しました。ライブ配信では無記名で自由にコメントが投稿できるようにし、しかもそのコメントが配信画面にリアルタイムで流れるという仕様を取り入れ、なかなか面白い取り組みになりました。


ー経営会議のライブ配信後すぐに経営会議が廃止になったと聞きましたが、それはなぜでしょう?

ちょうどこの時期に「組織のフラット化」への変化が急激に加速していて、「マネージャーを廃止しよう」という議論があったんですよね。そもそも経営会議の目的はマネージャーの育成だったので、マネージャーがなくなるならば経営会議もいらないだろう、ということで廃止になりました。

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当時役員が感じていたことーメンバーへの信頼が高まっていたからこそできた覚悟

〈萩原 典子〉GCストーリー株式会社 常務取締役

新卒でリクルートに入社後、2005年にGCストーリーの創業メンバーとして参加。創業当初より幸せな組織作りにこだわった人事制度や文化作りに注力。パフォーマンスの最大化の側面から組織の在り方、個人の心の問題の重要性を感じ、自己肯定感の重要さや発達心理学の応用に着目。現在は組織デザイン事業部を立ち上げ、自律共創型組織の構築支援、個人のカウンセリング・コーチングなどが主な業務としている。


経営会議のライブ配信ではどんなコメントが書かれるのだろうかと心配もありましたが、前向きな内容が多く、GCストーリーってやっぱりいい会社だなと思った記憶があります。とはいえ、マネージャーの廃止を皮切りに、いろいろなことが変わり始め、私は母親的な心配性思考で、不安を感じていました。

ちょうどその頃、信頼する社外の方々に会社の状況や自分の葛藤を相談する機会がありました。そこで皆さんに、会社にとっても私自身にとってもその葛藤は素晴らしいと絶賛され、「それなら経営会議もなくしたほうがいいよ!」とアドバイスされたのです。今思うと、若干面白がられていた気もしますが(笑)、私の中で「本当に大事なものを見極めよう」という覚悟ができた瞬間でした。

そして翌日、経営会議の廃止を提案しました。本当に必要であれば、自然にまた経営会議が立ち上がるし、または別な形の何かが生まれるかもしれないと思ったのです。心配性な私からの提案にみんな驚いていましたが、流れ的にもやってみよう、という判断で経営会議も廃止になりました。今思うと、ライブ配信などをやってみてGCのメンバーへの信頼が高まっていたからこそ、できた覚悟だった気がします。


『ティール組織』解説者の嘉村さんが当時を振り返って感じること

〈嘉村 賢州〉

・場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome’s vi 代表理事
・「ティール組織(英治出版)」解説者
・コクリ! プロジェクト ディレクター(研究・実証実験)
・京都市未来まちづくり100人委員会 元運営事務局長

1981年、兵庫県生まれ。京都大学農学部卒業。集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践している。2008年に組織づくりやまちづくりの調査研究を行うNPO法人「場とつながりラボhome’s vi(ホームズビー)」を京都で立ち上げ、代表理事を務める。2015年に1年の休暇をとって世界を旅する。その中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、研究と普及に努めている。2018年4月、東京工業大リーダーシップ教育院の特任准教授に就任。2023年12月にティール組織・進化型組織の情報メディア「ティール組織ラボ」teal-lab.jpをスタートさせている。

ティールの観点でいうと当時のGCさんはオレンジ組織とグリーン組織が混ざっているような状態。社内の関係性がよく、人が大事にされているという点ではグリーンの要素が強く、また仕事は上下関係できちっと説明責任を果たし回していくという意味ではオレンジが強い印象でした。

他の会社と違ってGCさんを見て驚いたのは、会社全体に関わる変化に関しても抵抗よりも「やってみよう」が多いことでした。多くのグリーン組織は変化に対して抵抗が生まれてしまう場合が多いからです。

実はこれは良い面もあれば悪い面もあります。「やってみよう」は柔軟でもあると言えるのですが同時に現場一人ひとりが考えるのでなく、リーダーに従っていこうという階層構造の現れともいえるからです。

GCさんのストーリーを読ませていただいて、こういう状態から一人ひとりが本当に考えて行動していく組織変化の旅があったんだろうなあと感心しながら読ませていただきました。


▼嘉村さんがGCストーリーの越境寺子屋にゲストとして参加した際のイベントレポートはこちら

  【レポート】ティール組織の第一人者・嘉村賢州氏と学び合う越境体験 - ココシフ 2023年3月10日に開催された特別プログラム「越境寺子屋」の様子をお届けします。組織論や各分野の最先端を牽引するゲストを招き、さまざまな背景を持つ参加者が交流し学びを創発する本プログラム。当日は日本国内でも大ベストセラーとなった『ティール組織』(フレデリック・ラルー著、英治出版)の解説者でもあり、日本におけるティール組織の第一人者でもある嘉村賢州氏にお越しいただきました。「組織の理想と現実の間で、どう行動するべきか決めきれない」「合理性重視か人間性重視か、リーダー像のバランスが分からない」こうしたお悩みをもつ方は、ぜひ最後までご覧ください。 ココシフ


▼組織変革をしたいが、どのような組織にしたいのかお悩みの経営者の方はこちら

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