なぜ「エンゲージメント」が大事なのか? 組織改革で大事な理由と、向上方法について
エンゲージメントは現代のビジネスにおいて非常に重要な言葉として使われます。この単語自体に様々な意味合いがありますが、本記事では「組織」と「従業員」に注目してエンゲージメント を解説します。
エンゲージメントの基本的な概念と、その重要性、さらにエンゲージメントを高めるための具体的な方法についても詳しく解説します。また、エンゲージメントを向上させるために欠かせないポイントについても、CGストーリーが提唱する「自律共創型組織」もまじえて解説します。
現代のビジネス環境において「エンゲージメント」は企業成功の鍵となる要素です。特に従業員エンゲージメントは意識すべきです。この働き方の多様化の時代、より良い待遇や環境を求めて転職することが当たり前になっている昨今、優秀な人材ほどキャリアアップ志向が強く、転職を繰り返す傾向にあります。このような価値観の変化に加え、少子高齢化による労働人口の減少により、多くの企業が人材獲得・定着に苦心しています。
だからこそ企業への定着率が一層重要視されます。いかに優秀な人材を獲得・定着させるかということ、従業員の流出を最小限に抑えるとともに従業員に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうために、エンゲージメントという考え方が重視されるようになっていますので、ぜひ本記事を参考ください。
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<目次>
目次[非表示]
エンゲージメントとは
エンゲージメント自体には「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味を持つ単語です。使用シーンに応じて様々な意味に使い分けられますが、「深い関わり合いや関係性」を意味する言葉です。マーケティング業務を行う方はよく聞く単語です。一般消費者が広告やウェブサイト、ソーシャルメディアなどSNS投稿などの活動に「どれだけ積極的に反応するか」という形で使われます。例えば、閲覧者やフォロワーの数に対するいいね、コメント、シェアなどの積極的な反応の割合で計算されます。エンゲージメントの高さは、消費者が自社ブランドに対して持つ関心や愛着などの度合いを反映してくれて、長期的な顧客関係の構築、LTVなどに直接影響を与えるので、企業が利益を上げ続ける中で非常に大事な言葉として用いられます。
本記事におけるエンゲージメントの意味は、マーケティングで使われるエンゲージメントに似ておりますが、一般的に「関与」や「参加」を意味します。「従業員エンゲージメント」という言葉がありますが、これは従業員が自分の仕事や職場に対してどれほどの熱意や献身を持っているかを表します。
エンゲージメントの高い従業員は、生産性が高く、離職率が低い傾向にあります。また、エンゲージメントの高い顧客は、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得に寄与します。つまり、エンゲージメントを高めることは、企業の成長と持続可能性に直結しているのです。
エンゲージメントの重要性と高めるメリット
エンゲージメントが高まると、主に大きな2つのメリットがあります。
1.従業員の満足度が高まり、企業への定着率も向上する
まず、従業員のエンゲージメントが高い場合、従業員満足度が向上し、離職率を低下させることにつながります。これは企業にとって重要な課題であり、人材の確保と育成にかかるコストを削減できます。
ここで誤解が生じてはいけないので説明しますと、エンゲージメントと混同しがちな言葉に「従業員満足度」という言葉もあります。これは両者は似て非なるものです。エンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「愛社精神」のことを言います。従業員が組織の理念・ミッション・ビジョン・パーパス等に共感し、組織に貢献する意欲を持っている状態はエンゲージメントの高い状態だと言えます。
一方、従業員満足度は「その会社の従業員であることにどのくらい満足しているか?」を表す指標です。給与や福利厚生、業務内容や人間関係など、報酬や待遇、仕事や環境に対する満足度のことを言うのが一般的です。かなり似ていますが、両者には大きな違いがあります。従業員満足度が「従業員が会社を評価する一方的な視点」であるのに対して、従業員エンゲージメントは、「従業員と会社の双方向的な関係性を問う視点」であることが挙げられます。 組織側の視点から見ると、エンゲージメントの方に重きを置いた方がいいです。
つまり、エンゲージメントを向上させることで従業員満足度まで向上させることができます。従業員満足度はエンゲージメントに内包している存在であり、エンゲージメントを高めることで従業員満足度を向上させることに自然とつながります。
2.組織全体のパフォーマンス向上につながる
エンゲージメントが高いことには多くのメリットがあります。まず、生産性の向上が挙げられます。従業員が意欲を持って働くことで、業務効率が上がり、成果を出すための努力を惜しみません。結果として、企業全体のパフォーマンスが向上します。
アメリカのギャラップ社のエンゲージメント調査結果がこの説を証明しています。エンゲージメントの高さが上位25%と下位25%の組織を比較したところ、上位25%の組織はパフォーマンスが高いという結果が出ました。さらに、営業の生産性が18%高く、収益性が23%高い。顧客ロイヤルティーも10%高く、離職率は43%も低かったのです。
価値観や働き方の多様により、離職率の高さや、定着率向上に関する相談をよく伺います。組織を持続的に運営する上で、従業員のエンゲージメント向上は重要です。
また上場企業は2023年3月期決算から人的資本開示の義務化が決定されました。これに伴い、人的資本経営に関する取り組みも増えています。その一環として、エンゲージメント指標を可視化し、世の中に開示する動きが見られますので、エンゲージメント向上に取り組むことが非常に大事です。
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エンゲージメントを高めるために意識すべき大事なこと
ここまで読んでも、なかなかエンゲージメントにピンとこない方もいると思います。理解しやすくするために「エンゲージメントとは何か?」と理解するための図を用意しました。この図は私たちGCストーリーが提唱する、自律共創型組織の例を引き合いにして、「エンゲージメント」を解説します。
多くの組織は左側のトップダウン型です。ヒエラルキー(上位下達)型ともいいます。右側が組織の理想型として私たちが推奨する自律共創型組織といいます。
トップダウン型組織の特徴
トップダウン型の良いところは、指揮命令系統がわかりやすいところが第一に挙げられるでしょう。 また単純系、マニュアル作業に強いので従業員育成もやりやすく、上層部の時間や労力が節約できることも大きなメリットです。
一方でデメリットも存在します。従業員は言われた通りのことをやればいいと思ってしまい受け身になってしまうこと。組織全体の判断スピードが遅い、緊急性や複雑性に弱い、変化が生まれにくい 、従業員の個性が発揮されにくいなどもデメリットです。この多様性の時代で生き残る上で致命的なデメリットも抱えていることは大きな問題点です。
自律共創型組織の特徴
エンゲージメントが高まりやすい組織として、自律共創型組織も例に出しましょう。この組織の特徴は従業員1人1人それぞれが判断し、スピーディに業務などを実行できます。 主体性も自然と生まれ、創造性や革新性も高まり、個人のやりがいが高まります。
もちろんデメリットも存在します。これまでのトップダウン型組織という常識から脱却、意識変容 ・変化させるに時間がかかることです。人間は変化を嫌う生き物ではあるので、ここまでの抜本的改革を嫌うことも多いです。さらに社長や上司がこの組織移行に難色を示しやすいだけではなく、従業員も今までの常識からの脱却を目指さないといけないために、組織全体で自立型組織移行の意識づけができていないと難しいです。
勿論、自律共創型組織に移行することは、相応以上のメリットが膨大にあります。しかしいきなり変化させることは上記の通り難しいので、徐々に時間をかけながら自律共創型組織へ移行させることがオススメです。
エンゲージメントを高めるための方法
エンゲージメントを高める方法は具体例を交えてここで紹介します。
社内文化や目標の共有
明確なビジョン、ミッション、パーパスを掲げ、それを日常の業務に反映させることが重要です。これは上記の自律共創型組織に近づく大事な鍵です。企業文化の共有にもつながることで、エンゲージメントにつながる「愛着心」を持つことにつながります。これは離職率の低下にもつながる非常に大事なことです。自社に誇りを持ってもらえるように、しっかり無理のない目標などの共有や、魅力的に感じる組織風土を作り上げましょう。
定期的なフィードバック導入と評価を行うこと
組織全員、しっかり一人一人と定期的にコミュニケーションを取り、フィードバックを求めることも効果的です。例えば、定期的なミーティングやアンケートを通じて、従業員の意見を積極的に取り入れることで、従業員は自分が組織の一部であると感じることができます。これもエンゲージメントで大事な「愛着心」を持つことにつながります。
働きがいのある職場環境作り
例えば、社内イベントの開催やリフレッシュスペースの設置など、小さな工夫でも従業員の満足度を高めることができます。また、リモートワークやフレックスタイム制度を導入することで、柔軟な働き方を推進し、ワークライフバランスを向上させることも有効です。働きやすさは定着率の向上につながりやすいので必ず意識したいです。
従業員のキャリア支援
専門的なスキル研修やリーダーシップトレーニングなど、個々人が成長できる機会を提供することで、従業員は企業に対する信頼感と満足感を持ちやすくなります。キャリアアップや転職につながるのでは?と思ってしまうかもしれませんが、それは他の工夫ができていないことによる、離職することになるだけです。自分自身が成長できる環境作りも非常に大事です。
エンゲージメント向上の効果と具体例
エンゲージメント向上の効果は上記の具体的例でも挙げましたが、多くの企業では、エンゲージメント向上策を実施した結果、生産性の向上や離職率の低減を実現しています。
例えば、大手IT企業では、フレックスタイム制度の導入と定期的なフィードバックセッションを実施した結果、従業員の仕事満足度が大幅に向上しました。また、小売業界のある企業では、従業員が自分の意見を自由に発言できる環境づくりを推進し、その結果、売上が年々増加しています。
さらに、エンゲージメントが高い企業では、従業員満足度だけではなく、「顧客満足度」も向上する傾向があります。エンゲージメント向上に成功した企業の顧客は、従業員の熱心な対応に満足し、リピート購入や口コミを通じた新規顧客の獲得が増加しています。具体的な成功例を見ることで、エンゲージメント向上の効果を実感できるでしょう。
エンゲージメントのまとめ
組織内におけるエンゲージメントは企業の成功に直結する重要な要素です。エンゲージメントを高めることで、生産性の向上、離職率の低減、顧客満足度の向上など多くのメリットが得られます。
特に大事なことは、エンゲージメントを高めるために、明確なビジョンとミッションの共有、コミュニケーションの強化、パーソナライズドなアプローチが必要です。また、適切な測定と評価を行い、常に改善を続けることが求められます。
エンゲージメント向上には一貫した取り組みと長期的な視点が必要です。具体的な成功例や対策を参考にしながら、従業員エンゲージメントの向上に取り組むことをお勧めします。企業の未来を明るくするために、今こそ従業員エンゲージメントの向上に取り組みましょう。
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