なぜ「モチベーション」が続かないのか? 社員のモチベーションを引き出す組織構築の秘訣
モチベーションは長年にわたって、維持方法や高め方などが書籍やセミナーで絶えず話題となります。それくらい簡単に上下するものです。しかし、組織において社員のモチベーションは下がってもらっては困ると、組織の視点で見ると思うはず。しかし、人間誰しもモチベーションの上下があることは当然です。
本記事では、組織モチベーションの向上を図るための具体的な施策や方法について解説します。有名な2種類のモチベーションについては勿論のこと、リーダーシップ、コミュニケーション、報酬制度など、多角的な観点から取り上げてみます。
VUCA時代と言われるこの多様化の時代、社員のモチベーションは企業の生産性や離職率に大きな影響を与えます。待遇や環境の変化求めて転職することが当たり前になっている昨今、モチベーションをどのように生み出していくかが、組織繁栄の鍵です。まずはモチベーションの重要性を認識し、それを高めるための施策を考えていきましょう。ぜひ本記事を参考にしてください。
<目次>
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モチベーションの重要性
モチベーションが高い組織は、自然と生産性も高まります。またこの多様化の時代で離職や転職が繰り返されるのが当たり前の中、社員の離職率も低くなる傾向にあります。モチベーションが低いと、離職率が高いことは勿論のこと、どれだけ優秀な社員が集まっていても、本人の最高能力が発揮されにくい傾向があります。
モチベーションが高まると、社員の主体性や創造性が発揮されるため、革新的なアイディアやプロジェクトが生まれやすくなります。これにより、組織全体の競争力も向上します。モチベーションが高い環境では、チームメンバー同士の協力も自然と進み、コミュニケーションが円滑になります。
また、社員のエンゲージメントも深まり、会社に対しての忠誠心や帰属意識も強まります。モチベーションの高い職場は、社員にとって「働きたい場所」となり、企業ブランドの向上にもつながります。その結果、優秀な人材の採用や維持にもプラスの影響を及ぼします。
以前の記事で「エンゲージメント」という言葉をご紹介しました。エンゲージメントの高い従業員は、生産性が高く、離職率が低い傾向にあります。
ここで「エンゲージメント」という新しい単語が現れたので、この違いを説明します。「モチベーション」の本来の意味は「動機づけ」や「やる気」です。エンゲージメントとの違いは、モチベーションは「心理状態」を表し社員の主観で決まるということです。評価されたい、褒められたい、昇進したい、スキルアップしたいと自分が主体となる考え方が、モチベーションです。
一方「エンゲージメント(従業員エンケージメント)」は「社員と組織」両者の関係性のことです。モチベーションのような主体的な心理状態ではなく、組織と社員の心理的なつながりを意味します。上記の記事でも紹介していますが、会社への「愛着心」「信頼感」「思い入れ」を感じていることであり、組織と個人が一体となって、双方の成長に貢献し合う関係といえます。
この2つの違いから大事なことがわかります。それは「モチベーション」を高めることが非常に難しい理由として、社員1人1人の主観で決まる心理状態なので、組織が「こうすればモチベーション向上につながるだろう」と思っていたことが、全く当てはまらないことが多いということです。1人1人のモチベーションがその人の主観で決まってしまうので、モチベーションの向上と思い行った対策が、組織の押し付けでしかないこともあります。最悪、モチベーションの低下につながってしまう可能性もあるのです。
失敗しないリーダーシップの役割
リーダーシップはモチベーション向上において非常に重要です。良いリーダーは、率先してチームの目標を明確にし、ビジョンやミッション、パーパスの共有、そして社員一人ひとりの役割を理解させます。ここで大事なことは、社員一人一人の役割をその社員に合うように与えれるか、もしくは与えられた役割を納得させるようにできるかが大事です。
勿論、リーダーは目標設定などだけでなく、その達成方法についてもコミュニケーションを取る役割を持っています。透明性の高い目標と計画を共有することで、社員は自分の仕事が全体のどの部分に貢献しているのかを理解しやすくなります。わからないものを行ったり、あまり可視化されていないものに不安を覚えることは人間の性です。ここを明確化することもリーダーシップで大事になり、透明性が高く、明確化された仕事の場合は、仕事に対する意欲が一層高まります。
さらに、効果的なリーダーシップは、感情的なサポートも含まれます。社員が困難に直面したときや、失敗した後でも前向きに頑張れるように励ますことが大切です。感謝の気持ちを表現するだけでも、社員は認められていると感じることができ、モチベーションが向上します。しっかりと自分の失敗経験などもシェアできると、心理的安全性が向上し、社員のモチベーションを高めることができます。そのためにも、定期的なフィードバックや評価を行い、個々の努力を認識することも忘れてはいけません。
組織全体のコミュニケーションの改善
良好なコミュニケーションは、組織のモチベーションを高めるための鍵です。気軽に誰でも本音を話せるようなオープンな環境を作り、社員が自由に意見を述べられるような文化を促進することで、チーム内の信頼関係も向上します。また、定期的なミーティングや1on1の対話を通じて、意見や感情を共有する機会を設けることが大切です。
特に、遠隔地にいる社員やリモートワークが一般的になっている現在では、コミュニケーションの質と量がさらに重要となります。ビデオ会議やチャットツールを活用して、適時に情報共有を行うことが求められます。定期的なオンラインミーティングを設定し、全員が参加する機会を作ることで、孤立感を減らし、チーム全体の結束力を高めることが可能です。
また、部下から上司へのフィードバックも積極的に取り入れる文化が望まれます。これにより、上司も自己改善の機会を得ることができ、組織全体のダイナミズムが高まります。オープンでフラットなコミュニケーション環境が整うことで、組織全体の透明性も向上し、信頼度が高まるでしょう。
モチベーションに関わる報酬制度とは
モチベーションを高めるためには、適切な報酬制度も重要です。金銭的な報酬だけでなく、業績に応じたボーナスや褒賞、スキルアップの機会なども含まれます。最近では、ワークライフバランスを考慮したフレキシブルな働き方やリモートワークの導入も有効です。
金銭的報酬だけでなく、非金銭的報酬も非常に重要です。例えば、努力や成果を認める社内表彰制度や、特別休暇の付与などが挙げられます。こうした報酬は、社員にとっての大きなモチベーション源となるだけでなく、企業文化や価値観を強くする役割も果たします。
報酬制度は社員一人ひとりの価値観に合わせることが求められます。どのような報酬が最も効果的かを理解するためには、社員との定期的なコミュニケーションが不可欠です。社員の声を反映したカスタマイズされた報酬制度を導入することで、全員が満足できる労働環境が整うでしょう。
チームビルディングの修正
モチベーションを高めるためには、チーム全体の結束力を強めることも重要です。チームビルディング活動やイベント、レクリエーションを通じて、社員同士の絆を深めることができます。こうした活動は、日常業務から離れてリフレッシュする機会ともなり、結果的にモチベーション向上に寄与します。
例えば、共同でのプロジェクトやアウトドア活動、ボランティアなど、さまざまなチームビルディングの取り組みがあります。これらの活動を通じて、社員はお互いの強みや弱みを理解し合うことができ、協力しやすくなります。また、仕事以外の場面での交流は、社員間の信頼関係をさらに深める効果があります。
定期的に開催されるイベントやレクリエーション活動を通じて、組織の中での連帯感が高まります。また、仕事の成果を共有し祝う機会を設けることも、モチベーション向上には非常に有効です。成功を共有するだけでなく、失敗から学ぶ文化を醸成することで、建設的なチーム環境を作り上げることができます。
モチベーションサーベイという方法
モチベーション サーベイとは、従業員のモチベーションや仕事に対する意欲を定期的に測定・分析する調査のことです。このサーベイを活用することで、従業員がどのような要因でやる気を感じ、どのような点で不満を抱えているのかを明確にすることができます。これにより、企業は働きがいやりがいを感じられる職場作りを進めやすくなります。
モチベーション サーベイは多角的なアプローチを必要とします。例えば、従業員の意欲を測るために、業務内容の満足度、職場環境、上司や同僚との関係、成長機会、報酬制度など、様々な要因を調査します。これにより、単に表面的なデータだけでなく、従業員の深層心理まで理解することが可能になります。
さらに、モチベーション サーベイは一過性のものではなく、定期的に実施することで、時間経過による変化や、導入した施策の効果を測ることが重要です。定期的なサーベイにより、企業全体の健康状態をモニタリングし、必要に応じて迅速な対応を取ることが求められます。
モチベーションサーベイも非常に大事な組織変革の要素なので、また別の機会にこのブログにて解説しますので、ここではこれ以上は割愛します。
2種類のモチベーション
モチベーションには突発的なやる気や恒常的な興味など、さまざまな種類があります。そして、これらは大きく「内発的モチベーション」と「外発的モチベーション」に分けられます。それぞれのモチベーションの特徴を知ることで、社員のモチベーション向上の助けになるはずですので、詳しく解説します。
内発的モチベーション
内発的モチベーションとは、「自分自身の興味や好奇心から自然に」湧き上がるやる気のことです。このタイプのモチベーションは、タスクそのものが楽しい、挑戦的である、自己成長に繋がるという理由で発生します。例えば、趣味としての音楽やアート、自己学習などが挙げられます。こうした活動は、外部の報酬がなくても継続することができます。
内発的モチベーションを活用するためには、まず社員自身、自分が何に対して情熱を持っているのかを理解することが重要です。そして、その情熱を燃やし続けるための環境を整えることも必要です。例えば、自分の好きなテーマについて深く掘り下げる時間を確保する、興味を持てるプロジェクトに参加するなどが効果的です。また、内発的モチベーションは一度芽生えると継続しやすいため、長期的な目標達成に適しています。
外発的モチベーション
外発的モチベーションは、外部から与えられる報酬や評価、または罰則などによって生まれるやる気です。具体的には、仕事での昇進や給料のアップ、学校での成績、スポーツでのメダル獲得などが代表的です。このタイプのモチベーションは、目に見える成果や報酬があるため、短期的に成果を上げやすいという特徴があります。
外発的モチベーションを効果的に活用するためには、具体的な目標設定とその達成に対する報酬を明確にすることが大切です。例えば、プロジェクト達成後に自分へのご褒美を設定する、上司や同僚からの評価を得るための具体的な行動計画を立てるなどが有効です。ただし、外発的モチベーションに頼りすぎると、報酬がなくなった途端にやる気が下がるリスクがありますので、バランスが重要です。
内発的モチベーションと外発的モチベーションのバランス
モチベーションを最適に保つためには、内発的モチベーションと外発的モチベーションのバランスが欠かせません。短期的な成果を求める際には外発的モチベーションを利用し、長期的なスキルアップや自己成長を目指す際には内発的モチベーションを活用するのが理想です。また、両者を意識的に組み合わせることで、より柔軟で持続的なやる気を維持することができます。
モチベーションのまとめ
組織モチベーションの向上は、一朝一夕に達成できるものではありません。しかし、リーダーシップ、コミュニケーション、報酬制度、そしてチームビルディングなど、多角的なアプローチを取り入れることで確実に進展します。これらの施策を継続的に実行することが、最終的に高いモチベーションを持つ強い組織を作り上げる鍵です。
モチベーションを維持し向上させるためには、絶え間ない努力と洞察が必要です。管理職と現場が一体となって取り組むことで、より活気ある働きやすい環境を作り出せます。最終的には、社員一人ひとりが満足感と充実感を持って働けることが、組織全体のパフォーマンス向上につながるのです。
2種類のモチベーションの話にも出ていますが、1番大切なのは、社員1人1人が自分自身のモチベーションを理解できているか?そして組織はそれを理解できているかが重要です。モチベーションはあくまで「主観」からくる心理状態です。しっか自分自身が認識できていないと、モチベーションを高めることは難しいです。組織全体のパフォーマンス向上のためにも、社員1人1人のモチベーションをしっかり自己認識させて、組織が把握するようにしましょう。
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